Media-JAWS #11 in 大阪 参加レポート #jawsug #mediajaws

こんにちは。TVerの技術発信盛り上げ担当 兼 Media-JAWS運営の加我です。
新年1発目のブログはイベント参加レポートから始めていきたいと思います。

2/8に大阪のMBS 毎日放送様の会場をお借りしてMedia-JAWSを開催しました。
弊社のバックエンドエンジニアの内海も登壇していたので、参加者目線 & 運営目線の両方からブログにて共有させて頂きます。

jawsugosaka.doorkeeper.jp

Media-JAWSとは

Media-JAWSJAWS-UG (AWS Users Group – Japan) の中でメディア系の分野に特化した支部 (AWSに興味のある人が地域やテーマごとに集まるグループ(趣味仲間)の構成単位) です。

■Media-JAWS(メディアジョウズ)の説明

Media-JAWSは、例えば急激なトラフィック処理や映像や画像のワークロード処理、セキュリティ対策など、放送・ラジオ・新聞・雑誌・Web・SNSなどのメディア特有の性質が求められるサービスを、AWSを活用してどのように構築・運用しているか、といった情報交換や、交流の場として活用される勉強会です。

開催頻度は、3ヶ月に一度を目標にしています。 関東以外の方のために、基本的にライブ配信を実施します。 いずれは関東以外での開催や、関東以外の方によるリモートでの登壇なども行いたいと考えています。

ハッシュタグは #mediajaws

media-jaws.doorkeeper.jp

開催の経緯

昨年11月のInter BEE 2022にて全国の放送業界の関係者の方々とお話する機会があり、その時にMBS様から関西でもイベントを開催したいとのお声がけを頂きまして今回開催に至りました。

techblog.tver.co.jp

当日の様子

TVerの技術発信担当 & Media-JAWS運営メンバーとしてイベントの撮影係を担当しておりましたので、当日の写真を交えてレポートしていきます。

当日のTogetterはこちら。

togetter.com

会場はMBS様のちゃやまちプラザです。
私は成人になってから初の大阪訪問ということもありまして、梅田の地下街で迷うことになりました。どうやら通過儀礼らしいです。

大阪駅周辺

ちゃやまちプラザの入り口ではMBS様のマスコットキャラクターである らいよんチャン がお出迎えしてくれました。

ちゃやまちプラザ

ちゃやまちプラザに入り、ロビーを奥の方に進んでいくと ちゃやまちプラザステージ と呼ばれる豪華なステージが姿を表しました。
勉強会でこのレベルの会場を使えるとなると、否が応でもテンションが上がってしまいます。

ステージ正面

ステージ上からの眺め

ちゃやまちプラザステージの入り口あたりで受付をしつつステッカーを配布していました。
私達は しれっと TVerのステッカーとラバーコースターを配布していたのですが、思いの外ラバーコースターが大人気でして、おかげさまで初回作成分の在庫を全て配布することができました。500個作ってもあっという間だったので次回作にご期待下さい。

オープニング

Media-JAWSの運営メンバーであるHTB 北海道テレビの三浦さんのオープニングでイベントがスタートしました。

HTB 三浦さん

Media-JAWSは業界や放送局といった枠を超えて交流したいという思いを持って活動しており、私達TVerもその一端を担えるよう積極的にイベントへの参加やアウトプットを心がけています。

コミュニティへの思い

現在はこの6名を中心に、AWSの支援を受けたりしつつ運営を行っております。

運営メンバー

ちなみに今回はJAWS-UG KANSAIの方々の協力もあり、オフライン限定開催にもかかわらず76人の申し込みに対して70人ほどの参加(!!)となりました。

会場の様子

今回は高校生(!!!)の登壇から始まり、MBS 樋口さん、AWS 小南さん、弊社の内海、ABC 山下さんというバラエティ豊かなラインナップとなりました。

登壇者一覧

こちらは共同開催のJAWS-UG 大阪支部の伊藤さん。イベントの計画・準備・当日の受付まで幅広くご協力頂きました。

JAWS-UG 大阪支部の伊藤さん

そして会場提供のMBS 山本さん。Inter BEE 2022にて関西でやろうとお声がけしてくれた方でもあります。

会場提供のMBS 山本さん

ということで各登壇内容について軽く触れていきます。

西大和学園高等学校 技術統括局 栗栖 幸久さん

栗栖さんはAWSのIVSを駆使して低遅延な配信サービスを作りつつ、高校の文化祭を色々変えていったお話をしてくれました。

サービスのアーキテクチャに参加者も我々も興味津々です。

配信サービスのアーキテクチャ
興味津々の大人2人

今後はサーバレスなサービスの活用や、実装しきれなかったものを完成させたいとの展望を語ってくれました。堂々たる登壇に拍手です。

今後の展望

登壇前は「高校生だしCloudFront・ALB・EC2・RDSとかのWebサービスの話かな?」と思っていたのですが、実際には想像のはるか上を行くガチな構成で設計・構築・運用を行っており、「初学者だから」「高校生だから」という偏見・先入観を持ってしまっていた事を深く反省しました。今後もJAWS-UGで登壇し、多くの人に驚きを与えてくれることを楽しみにしています!

MBS 樋口さん

MBS 樋口さんは開局70周年のドラマ制作でクラウドを活用し、ドラマ制作のワークフローを改善した話をしてくれました。

ドラマ制作ではストーリーの順序と関係なく撮影が進行するため、撮影素材の管理が大変という課題があるとのことです。

ドラマ撮影の大変なところ

そこで、ロケ先から撮影素材とQRコードを随時AWS上にアップロードし、QRコードから素材の情報を読み取って自動的に仕分けし、AWS上で編集することを可能することでワークフローを改善したという話です。

クラウド上で編集することで効率化
システムのアーキテクチャ

私はAWSといえばWebサービスのワークロードで利用するという経験がほとんどです。また、ドラマ撮影・制作の現場を全く知りません。なので、ドラマ撮影・制作の現場にはどのような課題があり、それをテクノロジーでどのように解決したのかという話はとても興味深かったです。

AWS 小南さん

AWS 小南さんはクラウド編集で使えるAWSサービスについて紹介してくれました。

映像編集にはポストプロダクション (番組やパッケージメディアなどの映像作品、映画の製作における撮影後の作業の総称) と呼ばれる工程があり、AWSを活用することでリモート環境から編集を行うクラウド編集が行えるようになるとのことです。

クラウド編集の概要

この辺のソリューションの説明がありましたが、正直全く使用したことがないのと理解も浅すぎるので写真だけ貼っておきます。 (今後ちゃんと勉強します...)

Camera to CloudとAWSソリューション
素材伝送ソリューション

TVer 内海

弊社からはバックエンドの内海が登壇し、TVerにおけるバーストトラフィックの予測や対応についてお話してくれました。

TVer 内海

私と内海との間では日常的にトラフィックの予測やスケーリングの計画および振り返りをしており、傾向はわかってきたものの予想外のトラフィックへの対応はまだまだ難しいと感じています。

予測って難しいですよねと笑顔で語る内海

TVerトラフィックを予測するための変数が多く、関係者と細かくコミュニケーションを行うことで不確定要素を減らしていくという泥臭い運用を行うことでシステムの信頼性と安定性を維持しています。

トラフィックを予測するための変数が多い

こういう地味なスパイクでも何が起きたのか、リソースに問題はないのかを都度ケアしています。

ちょっとしたスパイクでもケアしてます

ABC 山下さん

ABCの山下さんはAWSを利用したリモートプロダクションの取り組みについてお話してくれました。

私はリモートプロダクションという言葉に馴染みがなかったため、HTB 三浦さんから説明をして貰いつつ発表を見ていました。
Jストリーム様のブログでは既存の映像制作現場と対比しつつ下記のように説明がありました。

リモートプロダクションを正しく説明するためには、作業するスタッフの場所だけではなく、作業する対象のあらゆる編集・配信機材の構築や運用、各種の映像素材の入手・伝送・編集・配信先の設定を含めて、「リモートプロダクションとは仮想のサブ環境」であることを含めなければいけません。

この「仮想」の部分が肝要で、いま利用している作業環境がどこまで再現できるかという再現性と、仮想であることで可能になる新しい何かという新規性のふたつがリモートプロダクションには求められます。どこでも作業ができるというリモートワーク的な特徴は利便性ということになりますが、 利便性は定量的な評価が難しいものです。

www.stream.co.jp

リモートプロダクションには3種類あり、ABC様ではクラウド利用のものを採用したとのことです。

リモートプロダクションの種類と採用

ここからは実際にバーチャル高校野球でリモートプロダクション環境を活用した話になります。
各種機材からEC2上にあるシステムにデータを転送し、本社からそのデータを制御するという説明がありました。

バーチャル高校野球での構成

リモートプロダクションでEC2を利用するメリットがあるという一方で、本社側のオペレーションが複雑になったり、熟練度が必要になったりと、まだまだ改善できる点がありそうとのことでした。

EC2を利用するメリット
本社側の環境

まとめ

大阪開催ということで、普段あまりお話することの無い方々と交流できて楽しかったです。これぞ地方開催の醍醐味ですね。

これを皮切りに日本各地でMedia-JAWSを開催していきたいという思いが高まったので、AWS様を始め関係各所にお気持ちを伝えておきました。

そしてここからは直近に開催されるイベントのお話です。4/20・4/21に幕張メッセにてAWS Summit Tokyo 2023が開催されます。TVerからは私を含め3-5名程度が参加予定ですので、現地でお話できることを楽しみにしております。

次はAWS Summit Tokyoで!

また、次回のMedia-JAWS2023 NAB Show の後くらいに開催予定です。メインの登壇はABEMA様ですので、あのイベントの話が聞けるかも・・・?

次回のMedia-JAWS

というわけでMedia-JAWS #11の参加レポートでした。みなさまお疲れ様でした & ありがとうございました!

Media-JAWS #11 大成功!