こんにちは。ログ以外にも jupyter で pandas をコネコネしたりするのも好きな森藤です。
最近、弊社では日々新しくパワフルな仲間が加わっています。その中に筋肉を愛し「実家がゴールドジムです」という男(以下、Eさん)が7月に入社しました。 私の筋トレのパーソナルトレーナーとしても助けてもらっています。
入社したばかりの Eさんがあっという間に TVer のサービスにおけるユーザインタビューを手掛けてくれました。 あれよあれよというまに
- インタビューパネル集め
- スクリーニング設問
- インタビュー項目の作成
- インタビューシートの準備
- インタビュースケジュール
- インタビュー結果の書き起こし
- インタビュー結果のまとめ
- 報告書作成
- 他部署への展開
と一通りのことをさらっとやってくれました。
インタビュー自体はとても良かったのですが、都市伝説にあるように「ファストフードの顧客に食べたいものを聞いたらヘルシーな食べ物と返ってきたからサラダをメニューに加えたら全然売れねぇwww」となりかねません。
そこで、E さんと結果をつぶさに見ながら、下記のようにインタビューと分析のサイクルを回すようにすることにし、割と整理できたので本記事で共有したいと思います。
定性調査 (インタビュー)
- 顕在化された声を聞き出す
- 潜在的な不満/ニーズを聞き出す/推測する
留意点
先日のブログにも書いたとおり、定量調査 (ログ分析) ではわからない「思い・状況・リテラシ」を少数サンプルから「直接吸い出す/推測する」ことを主眼とします。 これによりデータ(刺激)からユーザの思い・状況・リテラシなど(世界)を推測する逆関数作成の手がかりを得ることができます。 例えばデータ分析の結果、ある振る舞いをしているユーザ数が多い (例えば、先週より再生回数が増えている一定ボリュームのユーザ) 場合、「なぜ増えたのか」といった因果を調べることは容易ではありません。 (そもそも因果分析はむずい) こういったユーザに対してインタビューを行うことで、潜在的な不満/ニーズやそれを乗り越えて「もう1コンテンツだけ再生しよう」という「思い」を聞き出します。
定量分析 (データ分析)
- 定性調査の顕在化された声がマイノリティなのかマジョリティなのかを調査する
- 潜在的なニーズ/不満がマイノリティなのかマジョリティなのかを調査する
留意点
定性調査の結果はあくまで少数のサンプルのものです。これが多くのユーザに共通する問題/ニーズなのであれば早急に対応することは必要となる可能性があります。 しかしながら、 KPI への寄与が小さかったり、ごく少数の意見であればこれに振り回されて社内リソースを分散することは得策ではありません。
循環
定性調査が定量分析を意味づける
定量分析が定性調査を価値づける
- ユーザの顕在的な声、潜在的な不満/ニーズのボリュームとして価値づける (事業貢献規模やサービス改善が与える影響)
- コストをかけていいか・効果の見積もり
- 定性の意見と属性・振る舞いとの相関調査
定量と定性の2つのサイクル(意味づけ・価値づけ)を回すことで「刺激(データ)→世界(ユーザ)」の逆関数をより精緻なものにし、施策を精度高く、しかも、効果的な施策から実施できるようになるのではないかと考えています (本当は成功事例をいくつか積み上げてからこの記事を書ければよかったのですが、これから積み上げていきます)。
おまけ
E さんが使っていたインタビューサービスがとても良かったのでご紹介します (マージンは無いですしキックバックもないです)
アンケートパネルのための「募集条件」「謝礼金額」「オンラインのミーティングツール」などをこのように入力し、スクリーニング設問を用意して公開すると短期間で必要な人数を集め、実施できるところまでできたそうです。
まとめ
- 時間もお金もかけて実施するインタビューをより実りあるものにするために、 TVer 社では定性と定量の循環サイクルを実施しています
- 定性は定量を意味づけ、定量は定性を価値づける
- unii リサーチまじ優秀
おまけ
TVer ではデータサイエンティストだけではなく、Eさんのようにサービスをグロースさせるプロダクトマネージャー・マーケターも募集しています 私と一緒に定性と定量の2ストロークサイクルを回し、 TVer というサービスを成長させたいと思う方はカジュアル面談も実施していますのでぜひ気軽にお申し込みいただけるとありがたく思います