AIでデバッグ機能を爆速生成し、開発・検証の「面倒」を根こそぎ削る

本記事は TVer Advent Calendar 2025 16日目の記事です。
15日目の記事は @entaku0818 さんによる「iOS 26のAlarmKit APIでアプリからアラームを鳴らす」でした。

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はじめに

TVerAndroidエンジニアをしている石井です。

開発・検証プロセスにおいて、特定のデータや環境を操作・確認できるデバッグ機能が不可欠となります。実装自体は容易にできますが、簡易的なUIでも0から作るのは面倒で、日々の業務の中で後回しになりがちです。なのでAIに作らせましょう。

AIに作らせるメリット

デバッグ機能は通常のユーザー向け機能と異なり、品質要件やデザイン要件が緩和されるため、AIによる実装と非常に相性が良いという特性があります。

品質を大きく気にしない、実装の容易さ

デバッグ機能は、一般のユーザーではなく、開発者やテスターが使用する前提で作られます。 そのためレイアウトや操作感に洗練されたUI/UXは求められません。 加えてAndroidではビルドタイプを設定することができ、デバッグ機能をデバッグビルドに限定することによってユーザー影響を一切考えずに実装することが可能になります。
AIがコードを生成した場合、通常は細かい調整が必要になりますが、デバッグ機能においてはそこまでの品質を求めていないため、生成コードをほぼそのまま利用でき、実装工数を大幅に削減できます。

仕様がシンプルで伝達漏れが少ない

デバッグ機能は、1機能が1つの目的に特化して作られ、開発者やテスターが利用するシンプルな構成になります。このシンプルさにより、仕様が複雑になりにくく、伝達漏れや考慮漏れ等の不具合が大幅に減ります。そのため、複雑な設計や詳細な仕様詰めに工数を掛けることなく、検証に必要な機能を即座に開発環境に組み込むことが可能です。

機能の洗い出し

機能の洗い出しは、エンジニア組織内にとどめず、サービス開発に携わる非エンジニア(ディレクター、デザイナー、QAなど)を巻き込むことが重要です。他メンバーの視点を取り込むことで、調査に必要な機能を網羅できます。開発組織全体のSlackチャンネルなどで意見を募るといった方法で、必要なデバッグ機能を効率よく収集しています。

デバッグ機能の一例

実際に実装したデバッグ機能の一例です。

機能名 概要 活用シーン
コンテンツ詳細画面への遷移 コンテンツIDを入力して、その詳細画面へ直接遷移する 特定コンテンツでのみ発生する不具合などの調査・検証に活用
利用者の環境表示 APIの疎通先やアプリバイナリのバージョンなど、利用者がどの環境でアプリを使用しているかなどを表示する 不具合報告に合わせて環境情報をいただくことで原因調査に役立てる
A/Bテストなどのローカル強制切り替え 本来、サーバ側で割り振られるA/Bテストのパターンをフロント側で強制上書きして動作確認できるようにする 特定パターンでの動作検証やテストをする際に活用
導線がない画面への遷移 新規で開発していて導線がまだない画面や特定条件下でのみ遷移できる画面などの遷移をデバッグ画面に用意しておく ディレクターやデザイナーなどの非エンジニアが確認する際に活用

実際のデバッグメニュー

まとめ

デバッグ機能は開発・検証プロセスにおいて重要な役割を担っていますが、UIを0から作る必要があり手間がかかります。 そのためAIに作らせることで迅速に実装してくれます。実際これらの機能を実装するのに数分で完了しています。

今は非エンジニアの方に欲しい機能をヒアリングして追加実装を少しずつ行っていたりしますが、エンジニアが間に入らない自動化を目指しています。 今後の展望として、Issue起票を軸にActionsを発火させ、生成AIがPRを作成し、エンジニアがレビューするフローを作れないかなど、検討中です。