TVerはiOSDC Japan 2023に協賛をいたします!

こんにちは! TVerでフロントエンド開発チーム(iOS, Android, Web)のマネジメントをしている吉田と申します。

私は2023年4月よりTVerにジョインしまして、過去20年程度IT業界で開発からマネジメントまで携わって参りました。 今後もTVerのブログ記事など執筆することもあるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします!

TVerサービスと開発チーム

TVerのサービスは、2023年5月には月間再生回数も3.5億回を超え、月間ユニークブラウザ数も2,800万を超えるサービスへと成長をしているものの[1]、まだまだ開発スピードの向上(=ビジネスの成長速度)を高めていける余地があり、より迅速にユーザーの方々にお楽しみいただける体験を提供し続けて参りたいと考えております。

[1] prtimes.jp

2023年現在、TVerのサービス提供チャネルとしては、iOS, Android, Web, コネクテッドTV(Amazon FireTVやAndroidTVなど)といったプラットフォームで展開をしておりますが、現在の開発体制としては、社内の開発チームと開発パートナーさんとが混在しているチームで構成されサービスのグロースを継続しております。

このような状況の中、よりビジネスの成長サイクルを向上させるべく、開発チームの強化を組織的課題として捉え、今年度よりTVer内製の開発チームの発足を開始いたしました。2023年4月からはAndroidアプリ開発の内製チームが立ち上がり、同年8月からは品質管理の内製チームが立ち上がり、また、2023年10月からはiOSアプリ開発の内製チームが立ち上がる予定です。

iOSアプリ開発チームの発足に伴い、TVerとして技術コミュニティにも何かしらの形で貢献をしていきたいよね、という話があがりまして、今回の「iOSDC Japan 2023」に些細ながらも協賛をさせていただく運びとなりました。

また、弊社の加我が9月2日11時からのセッションで登壇をいたしますので、ご興味ございましたら是非ご覧くださいませ。

fortee.jp

We are hiring!

TVerではフロントエンドだけではなく、バックエンド開発、データサイエンス、SREといったエンジニアも在籍しており、Google Cloud Daysでの登壇[2]やAWS Summit Tokyoへの参加[3]、ISUCONへの協賛[4]など、積極的に技術情報のキャッチアップや発信をしております。

[2] techblog.tver.co.jp

[3] techblog.tver.co.jp

[4] techblog.tver.co.jp

TVerのミッション「#テレビを開放して、もっとワクワクする未来を」に共感いただけるテレビの未来を支えるエンジニアの方をお待ちしております!(iOSDCのトークンはTVerのミッションです)

募集職種はこちらをご参照くださいませ!

tver.co.jp

ISUCON 夏祭り 2023 参加レポート

こんにちは。TVerの水野です。

2023年8月26日(土)、ヤフー株式会社 17F LODGE & セミナールームで開催された、ISUCON 夏祭り 2023に参加してきました。 isucon.connpass.com

ISUCONとは

ISUCONについては、下記のインタビュー記事より引用させて頂きます。

『ISUCON(イスコン)』とは『Iikanjini Speed Up Contest(いい感じに スピードアップ コンテスト)』を略したイベント名。ISUCONでは「お題となるWebサービスを決められたレギュレーションの中で限界まで高速化を図るチューニングバトル」が繰り広げられます。優勝賞金はなんと100万円。

zine.qiita.com

ISUCON夏祭りとは

ISUCON夏祭りは、ISUCON好きな人たちが集まり、ハンズオン、トークセッション、交流会などを楽しむお祭りです。

イベントサイトより引用

ISUCON 夏祭り 2023はISUCONが好きな人であれば誰でも参加できるISUCONのお祭りです。

・ISUCON何もわからないけどチャレンジしてみたい

・ISUCONのことが好きすぎるので、同じような人とISUCONについて語りたい

・ISUCONについて語っている人を間近で見たい

といった方に特にオススメです。

会場

会場はトークセッションや夏祭りブース(スポンサーブース、射的など)があり、これらをワンフロアで実施されていましたので、エリアによる熱量の差なく、常に盛り上がっている雰囲気でした。

9:30-19:00のイベントでしたが、こうした夏祭りブースのおかげで気分転換を挟みながら1日を過ごせました。

Splunk Services Japan合同会社様のお写真を撮り損ねてしまいましたので、ISUCON公式 Xをご確認ください...

ISUCON個人スポンサー

ISUCON個人スポンサーの特典グッズが紹介されており、実用的なアイテムが多く用意されていました。

いつかISUCONの特典グッズだけでキャンプにいけそうなバリエーション...

isucon.net

ISUCON12 ISUCON12 ISUCON11 ISUCON10

ノベルティ

こちらがISUCON 夏祭りの参加者ノベルティです。

ノベルティ一覧

さくらのVPS 2Gクーポンが入ってました。これでしっかり素振りできます。

ハンズオン

ハンズオンは、座学 + ライブコーディング形式で行われました。

speakerdeck.com

座学の初めに、約100人の参加者を対象にアンケートが行われ、ISUCONに何の言語で参加する予定かを挙手する時間がありました。その結果、RubyPHPが約4人ずつで、残りのほとんどがGoを選んでました。今年もGoの人気が高いことが感じられました。

座学では、

  • 問題の出題傾向として、なんとなく流行っている技術が使われがち
  • 8時間コーディングをし続けるのではなく、ベンチを回し続ける大会
  • 8時間で800回デプロイする競技。1時間で10回。だからワークフローを高速に構築することが大事

など、ISUCON参加者に向けた多くのポイントを解説して頂きました。

ライブコーディングでは、private-isuというリポジトリを使用しました。このリポジトリは私自身も知っていたものの、実際に触る機会がなかったため、今回のハンズオンでその内容に触れることができて良かったです。興味を持った方は、このリポジトリをクローンしてベンチマークを試してみることで、ISUCONに対するイメージが湧いてくると思います。

github.com

トークセッション

トークセッションについては、登壇動画と登壇資料がアップロードされており、詳細はそちらでご確認いただけます。

全てのセッションが非常に有益な内容でしたが、特に「NaruseJunの戦略とコミュニケーション / とーふとふさん」というセッションでは、昨年の優勝チームであるNaruseJunの方が、自身のチームの戦略やコミュニケーションについて話していました。また、ISUCONの参加中の様子を動画として残していたようで、登壇中にその動画を視聴することができました。

優勝の瞬間は、まるで本番同様に会場が盛り上がってました。

登壇動画

www.youtube.com

登壇資料

isucon.connpass.com

Fireside Chat

Fireside Chatとは暖炉を囲み、カジュアルに会話をする座談会のようなことを指します。参加者の質問に、登壇者の方が答えて頂きました。

各質問の回答については、YouTubeの動画をご覧いただくのが良いですが、個人的に気になった下記を以下に抜粋します。

ChatGPT、Copilotどう使う?

まず、前提としてChatGPT、Github Copilotは、レギュレーション未定とのことでした。後日発表されるとのことです。

もし、レギュレーションが許可される場合、

  • Github Copilotは普段も使っており、賢いから使う。
  • ChatGPTは任せて外した時に困る。
  • ChatGPTはハマった時に使ってみる。

などの意見が上がってました。

質問一覧

交流会

イベントの最後に行われた交流会では、軽食とドリンクが提供され、参加者同士の交流が深まる場となりました。

参加者たちはISUCONに関する失敗談や経験談、また自身の意気込みなどについて初対面のエンジニア間で話すことができました。

また、交流会の中で、抽選会まで用意して頂き、HHKBキーボード、ヘッドホン、マウス、サイン入り達人が教えるWebパフォーマンスチューニングといった豪華な賞品が用意されました。

乾杯 抽選会

感想

ISUCON 夏祭りに参加することを決めたきっかけは、TVerの先輩エンジニアからのサブリミナルメッセージでした。「ISUCONはいいぞ!」という言葉が私の中で引っかかり、実際に参加してみることになりました。結果的に、その選択は正解で、素晴らしいイベント体験になりました。

当初はISUCON14からの参加を考えていましたが、ISUCON夏祭りのハンズオンやトークセッションを経て、今年のISUCON13に挑戦することを決意しました。

TVerのバックエンドチームとして、以下の点でISUCON参加を支援する文化、強みもありますので、得た知識や経験をTVerのプロダクト開発に還元していく意向です。

  • 業務時間をISUCONの素振りなどに割り当てることも可能
  • ISUCONの素振りのインフラコストは会社負担
  • ISUCON参加の当日、業務扱い可能
  • 2830万MUBの高負荷なTVerプロダクト開発で得た設計、実装の知見を活かせる

最後に

2023年11月25日に開催されるISUCON13に、TVerは協賛させて頂きます!

詳細は、先日アップされたこちらの記事に!

techblog.tver.co.jp

今年のISUCONも熱いイベントとなることを願っています!参加される方、お互い頑張りましょう!

今年もTVer はISUCON13に協賛します #isucon #tver

こんにちは!!!!

バックエンドエンジニアの内海です。

タイトルの通りなのですが、2023/11/25に開催されるISUCON13に協賛させていただくことになりました🎉

昨年のISUCON12も協賛させていただいております。

ISUCONとは?や、協賛への思いはこちらに書いておりますので、お時間のあるときにお読みいただければ幸いです。 techblog.tver.co.jp

ISUCON13

今年のISUCONは今までの予選→本選の形式から、大きく変更があり本選のみとなりました。

isucon.net

昨年までとは違い、いきなり本選なのでわくわくしちゃいますね!

TVer と ISUCON

昨年から協賛させていただいていることはもちろん、我々TVerのバックエンドチームはISUCONのような高負荷なトラフィックをテーマにした課題と日常的に向き合っています。

おかげ様でたくさんのユーザーさんに使っていただけていることや、2022/04のリニューアルより本格的に開始した地上波のリアルタイム配信などでは配信時刻が決まってるためどうしてもユーザーアクションによるトラフィックスパイクが日常的に発生します。

そのため我々バックエンドチームはISUCON好きが自然と集まっている環境ですw

如何に効率的にかつ、アクセス特性を考慮した実装をするかが肝になっており、ISUCONとテーマが非常に近いです。 そんな中、高負荷でも安定してユーザーさんにコンテンツを届けるのがTVerバックエンドの楽しみの一つだと思っています。

最後に

ISUCONに出場される皆様、運営企画をされている皆様を少しでも応援したいという気持ちで協賛させていただいております。

まだ内容は内緒ですが、今年もTVer賞ありますので是非狙ってみてください!

スポンサーとして、参加者として両方で最大限ISUCONを楽しんでいきたいと思いますので皆様も楽しんでいただけますと幸いです。


We are hiring

ISUCONを楽しめる方ならTVerバックエンドはとても楽しい刺激的な環境です。 様々なポジションで絶賛採用中ですので、ご興味あればカジュアルなお話からエントリーまでいつでもお待ちしております。

tver.co.jp

JAWS-UG 東北(秋田)で登壇してきました #jawsug #jawsugtohoku #jawsugakita

こんにちは。TVerの加我です。
人生初の3ヶ月連続登壇という予定を組んでしまいまして、7/29にその第一弾となるJAWS-UG 東北(秋田)にて登壇してまいりました。

jaws-tohoku.doorkeeper.jp

JAWS-UGとは

公式サイトより引用させて貰いました。

JAWS-UGとは、AWS (Amazon Web Services) が提供するクラウドコンピューティングを利用する人々の集まり(コミュニティ)です。 一人ではできない学びや交流を目的としてボランティアによる勉強会の開催や交流イベントなどを行なっています。 私たちは日本全国に「支部」の形でグループを持ち、それぞれのテーマに基づいて活動を行なっています。 このコミュニティーは、非営利目的で活動しています。

jaws-ug.jp

JAWS-UG東北(秋田)とは

JAWS-UGには専門支部と地域支部という考え方があり、JAWS-UG東北(秋田)は地域支部にあたります。ちなみに私が運営に携わっているMedia-JAWSは専門支部にあたります。

専門支部と地域支部

speakerdeck.com

登壇の経緯

JAWS-UG東北(秋田)の主催を務めている知人からイベント参加へのお誘いを頂きまして、当初は有給休暇を利用した一般参加者として参加する予定でした。しかし、LT枠が1つ空いているので登壇しませんか?とのお誘いも頂きまして、急遽資料を作り上げて登壇させて頂きました。ただ、今回のテーマが 東北にゆかりのある企業、エンジニアの皆様にAWSを使った事例や業務についてLTをしていただきます だったので正直ちょっとマッチしないかなーと悩んだのですが、私自身大学の4年間を仙台で過ごしていたのでヨシとして頂きました。

登壇内容について

スライドは公開済みです。
speakerdeck.com

内容としては「ユーザー体験はサービス全体で作り上げるもの。ユーザー目線であるフロントエンドのモニタリングも大事だよね」というお話をしてきました。今回はServerlessのLTが3つもあり、地方こそスケーラブルなインフラ・サービスをどんどん活用していこう!という話で盛り上がっていたので、ユーザー目線のモニタリングも忘れずにね!という私のLTが意味を成せたかなぁと思っております。

ちなみに今回の登壇ネタですが、昨年のアドベントカレンダーで「動画の視聴体験を可視化したい(けどまだできていない)」というブログを書いた事へのアンサーになります。バックエンドやインフラのモニタリングに加えてフロントエンド(Web・モバイルアプリケーション)のモニタリングを行っているが、究極的にはユーザーが番組を快適に視聴できるのかどうかを動画プレイヤーを通じて観測する必要があり、道具(New Relic Video Agent)はあるけど使いこなせていないというのが当時のお話でした。

techblog.tver.co.jp

New Relic様のご協力により他社様との意見交換会を開催して頂いたり、他社の事例紹介の記事を漁ったりしつつ、これまで取得してきたNew Relic Video Agentのテレメトリーデータを活用するためのノウハウを少しずつ溜めることができました。動画プレイヤーのモニタリングは発生するイベント数とデータ量が多いため、コスト的な部分も含めて本格的な分析にはまだ至っておりませんが、今回活用の一端をお見せすることができました。

バイスと視聴エラーの話

ちなみに今回の登壇資料では最新の会社紹介資料のスライドを拝借しております。TVerを知る上でとてもわかりやすい資料となっておりますのでぜひご覧下さい。

speakerdeck.com

宣伝

8/18 (金) に岩手県盛岡市にてJAWS-UG東北(いわて)とMedia-JAWSのコラボイベントを開催します!!!
会場はマリオス 盛岡地域交流センターで、TVerが会場スポンサーとして協賛させて頂いておりますので、みなさまの参加をお待ちしております。

jaws-tohoku.doorkeeper.jp

実は今回の秋田での登壇は岩手でのイベントで話す内容を先取りという形でお話させて頂いたのでした。
ということでみなさま、次は岩手でお会いしましょう!!

行動経済学に基づく効果的なプロモーション手法の共同研究を実施しました

こんにちは、主としてデータにまつわる四方山を相手にしている森藤です。

昨年の2022年6月から取り組んでいた、慶應義塾大学 星野ゼミ様との共同研究「行動経済学に基づく効果的なプロモーション手法」が一旦、完了しましたので、本技術ブログでも公開いたします。

tver.co.jp

hoshinoseminar.com

課題

TVer は「見逃し配信サービス」であるにも関わらず、それすらも「見逃してしまう」ユーザに対して、どのように「見逃さないでいてもらうか」が大きな課題となっていました。 バラエティであれば、連続する回で無い限りは、次のエピソードから視聴していただくことも可能ですが、ドラマやアニメのような連続する番組の場合は、一話の見逃しがそれ以降全ての見逃し = 離脱につながってしまい、 TVer のビジネスモデルである AVOD (広告型動画配信) の広告在庫の源泉である再生機会を逸してしまうことになってしまいます。

この「見逃し配信を見逃してしまう」ことを抑止するために、放送局でも強く訴求しているお気に入りに登録いただいたり、新着 などを表示したりしています。 これに加えて、 新しいエピソードが再生可能になったり、次の回が始まるため再生期間が終了してしまうエピソードがある場合には Push 通知を送るようにしています。

ただ、この Push 通知ですが、下記のような課題があります。

  1. そもそも Push 通知はノイズ (=有用ではない) だと考えられている
  2. Push 通知を送ったとしても他アプリの通知もあり混ざってしまい、なかなか開封されない

特に1は重要な課題であり、一旦、煩わしいと思われ Push 通知の受信拒否をされるとその後、改めて受信許可をしていただくタイミングが殆どありません。 とはいえ、せっかく再生意向があったにも関わらず、期間内に見逃してしまったがために、離脱してしまうのは、 TVer のビジネスはもとより、ユーザにとっても良いことではありません。

どのようにして、ユーザに取って Push 通知を価値ある情報として感じていただくか、 Push 通知を開封して有用なものであることを理解していただくか、は重要な課題でした。 ユーザ心理を推測しながら、少なくともデメリット(ノイズ)として思われない、できればメリットとして感じていただくための Push 通知の内容・文言・頻度・タイミングなどを模索していました。

このようなユーザである人間心理を社会の構成要素として捉え、経済学のモデル理論に当てはめ、解釈・理解していこうとする学問に行動経済学があります。 縁あって、行動経済学を専門の一つとしている慶應義塾大学 星野ゼミ 星野教授とつながりを持てたので共同研究を行うことができました。

研究内容

今回の共同研究では、まずは取っ掛かりとして内容ではなく、文言・頻度・ジャンルにおける Push 通知の効果の有無や、その効果の持続性などを定量的に明らかにするところまでを行いました。 具体的には、ドラマ・バラエティからサンプル番組を選び、ターゲットユーザ群に対して、以下のような文言の表現・頻度を変えてその開封率・(みなしを含む)再生率を計測しました。

  1. 通知の文言が通知の開封や再生に影響を与えるか
  2. 短期間に同じ内容の通知を送った際に開封や再生への効果に変化が見られるか

表現

  • タイムプレッシャー: 「あとX日」のように期限が明示されることで「見なければという圧力」が生じる
  • 損失回避: 利益よりも損失を回避する方を選ぶ心理的作用を活かし「得られたはずの利益が得られなくなる」ように、「まもなく無料配信終了」といった表現
  • ベースライン: 上記とは異なる「『番組名』配信中✨」という表現

頻度 (ドラマのみ)

下記のように頻度を変えて2群に通知を行いました - 週に1度: 配信終了の1日前 - 週に2度: 配信終了の1日前と2日前

回数

同一の番組の異なるエピソードに対して 4 週間 Push 通知を送信し、経過における効果を計測 なお、表現の送信パターンを変えた実験群に対して送信しました。 また、第4週はデータの期間の都合で分析結果からは除外しました。

1週目 2週目 3週目 4週目
Group.1 BL BL BL BL
Group.2 BL BL TP TP
Group.3 BL BL LA LA
Group.4 TP TP BL BL
Group.5 TP TP TP TP
Group.6 TP TP LA LA
Group.8 LA LA BL BL
Group.7 LA LA TP TP
Group.9 LA LA LA LA

※ BL: Baseline, TP: タイムプレッシャー, LA: 損失回避

まとめると以下のようなパターンになります

2ジャンルx2頻度x9群(8実験群+1対照群)x3週間(最終週は期間が短いため除外)

実験結果

結果の詳細は割愛しますが、各ジャンルにおける表現ごとの開封率・再生率を図1、図2に示します。 この結果を評価するために母比率の検定を行った結果、下記の条件で有意であることが示されました。

  • ドラマにおける1週目のタイムプレッシャーとベースラインの開封率 (両側5%)
  • バラエティにおける3週目の損失回避とベースラインの開封率 (両側5%)
  • ドラマ・バラエティにおける1週目のタイムプレッシャーとベースラインの再生率 (両側1%)

ドラマにおける表現ごとの開封率・再生率
図1 ドラマにおける表現ごとの開封率・再生率

バラエティにおける表現ごとの開封率・再生率
図2 バラエティにおける表現ごとの開封率・再生率

まとめ

結果から、今回選んだドラマとバラエティの番組において特にタイムプレッシャーと損失回避が開封率に与える影響に違いがあり、ドラマにおいては初週のタイムプレッシャーの効果があり毎週送ると効果が減衰すること、逆にバラエティにおいては慣れてきた頃に損失回避の効果があることが示されました。 また再生率においてはいずれのジャンルにおいてもタイムプレッシャーの効果があることが示されました。

TVer では、これまで重要な課題として位置づけておりながらもリソースの都合や運用上の課題で定量的な評価ができていませんでした。 そのため、運用者の勘と経験によって文言や頻度、時間帯などを決めていました。

今回の星野ゼミとの共同研究により一部ではありますが定量的に評価ができ、勘と経験に裏付けが得られた点、効果が減衰する・効果が見られてくるパターンがある発見などは、大きな前進でした。

今回の研究では、 TVer 社の運用上の課題から、他のジャンルを評価することや同一ジャンルで多くの番組を対象とする事ができませんでした。 また、諸般の事情で細かく取り切れなかったデータがあるため、星野ゼミの方々にご迷惑もおかけしました。 今後はこれらの課題を解消していくと同時に、星野ゼミの皆様からも継続的な共同研究の申し出も頂いており、 TVer としてもより効果的な、ユーザにとってノイズではなく価値ある情報として Push 通知を受け入れていただき、「見逃し配信を見逃さない」でいただけるように努力していければと思っております。

最後に

今回の取組は Screens でも星野ゼミの皆様とのインタビューが行われましたのでそちらも興味ありましたら御覧ください。

www.screens-lab.jp

そして

TVer ではデータを分析し、ユーザにとってよりよい放送・配信の視聴体験をサポートしたり、広告やそれ以外の事業にコミットするために活用したりしたいデータエンジニア・データサイエンティストを募集しています。

tver.co.jp

Google Cloud Day '23 Tourで登壇しました #GoogleCloudDay

TVerの黒瀬です。

先日開催されましたGoogle Cloud Day '23 Tourの東京会場にて、Breakout Session枠で登壇しました。

この記事では、その発表内容について概要を簡単にご紹介いたします。

なお、本発表の細かい内容については下記ページからオンデマンド配信でご覧になれます。

cloudonair.withgoogle.com

speakerdeck.com

背景

TVerは今後のサービス改善のために、提供中の機能などの利用状況をBigQueryで集計・分析するための環境を持っていました。

そこでは、収集したいログごとに異なるサービス・プロダクトを契約し、それらを突合するなどして集計・分析していました。

課題

この従来の分析環境は次の3つの課題がありました。

  1. 異なるログ同士の突合に手間がかかる点
  2. 従来収集していなかったログを後から追加できるかどうかがログ収集サービス・プロダクト依存になっており、拡張性が限られる点
  3. ログ収集サービス・プロダクトごとに費用がかかるため、分析環境の維持費が高くなる点

方針

そこで、上記の課題を解決することを目的として、弊社での分析に必要なログを統合的に収集・集約するためのログ基盤であるTVerTagを開発することにしました。

アプローチ

収集部分・集約部分それぞれを次の方法で実装することにしました。

  • 収集部分: Cloud CDNとLoad Balancerで構成したEndpointに対するtracking用pixel dataをHTTP GETするアクセスログをCloud Loggingで収集します。

  • 集約部分: アクセスログをCloud Pub/Subへ転送し、それをCloud RunでPullして加工し、Cloud Storageに格納します。集計・分析時はそのCloud StorageをBigQueryのExternal Table経由で参照するようにします。

当初この構成で運用していたのですが、問題が出てきたため、それぞれ次のように解決しました。

  • External Tableへクエリを実行するためにはExternal TableだけでなくCloud Storageの読み取り権限も必要となり、権限を2重管理する手間が発生しました。そこで当時GAになったBigLakeを利用することで、Cloud Storageへの読み取り権限をBigQueryに移譲させ、結果External Tableへの読み取り権限のみケアすればよくなりました。

  • Cloud Storageに格納されているオブジェクトの数が増えてくるとExternal Tableへのクエリのレスポンスが悪化しました。そこで、定期的にNative Tableへ取り込むバッチを後段に追加し、集計・分析時はそのNative Tableを参照することで、データ量に対してクエリのレスポンスがスケールするようにしました。

運用実績

ここまでの構成で現在まで運用しており、1日あたりの11億レコード・920GiBのログを処理しており、ピークの時間帯においては秒間で21000アクセスを処理しています。また、ログ欠損によりログを集約できなかった期間は1度も発生せずに運用できています。

アーキテクチャ

Google Cloudで日々リリースされる新しい機能を利用した構成改善を検討しており、開発中のものですがその一部をご紹介します。

Cloud Loggingでログを収集してからBigQueryのNative Tableへ集約するまでのパスをできるだけ簡素にする方法を検討し、その中でもCloud LoggingのLog Analyticsを利用する方針で進めています。

また、速報版と確定版を使い分ける構成としてLambda Architectureを採用する予定です。

結論

TVerTagによってTVerにおける集計・分析に必要なログを統合的に収集・集約することができるようになりました。

おわりに

今回登壇にあたってはGoogle様のご担当の皆様に多方面でサポートいただきました。

スムーズに準備および登壇に臨むことができました。この場をお借りして御礼申し上げます。

Google Cloud Day '23 Tourで登壇します #GoogleCloudDay

TVerの黒瀬です。

来週からオンライン・ハイブリッドで開催されるGoogle Cloud Day '23 Tourの東京会場にて、Breakout Session枠で登壇することになりました。

Google Cloud Dayについて

公式サイトにもあるとおり、Google Cloudの最新ソリューションと事例について学べるカンファレンスです。

データ分析や機械学習・インフラストラクチャ・パートナーセッションなどのトピックで、数多くのセッションが予定されているなど盛りだくさんの内容です。

今年は東京・大阪・名古屋・福岡の4都市で開催され、うち東京ではオンライン開催、大阪・名古屋・福岡ではハイブリッド開催となっています。

私は5/23(火)11:15-11:45の枠で、東京会場にて登壇いたします。

登壇内容について

今回、私は弊社のデータチームを代表して、TVerGoogle Cloudに構築した統合ログ基盤についてご紹介する予定です。

TVer では MUB 2700 万を誇るサービス利用状況を、自社で開発したログ基盤によってログを収集・分析することで、継続的にサービスを改善しています。

従来、コンテンツの視聴ログや各種施策に対するユーザの反応など、ログの目的ごとにサービスを個別導入していました。

ところがこの方針では、異なるログが必ずしも紐づかないことがあること、施策に応じたログのカスタマイズ性に制約があること、収集と集約に時間がかかるためリアルタイムの分析が不可能であること、といった問題がありました。

そこで TVer では、統合ログ基盤である TVerTag を開発し、2022 年 4 月から運用しています。

この TVerTag は Google Cloud のサービスをフル活用しており、その結果、一つのログ基盤で複数のログを集約し、サービスの成長に合わせてカスタマイズができて、さらにリアルタイムに収集と集約が可能となりました。

本セッションでは、この開発の経緯や工夫点・運用の中で見えてきた課題・およびその解決策についてご紹介します。

ぜひご聴講くださいませ。